立會所

 南面を正面とし、主屋と隣接した独立家屋。主屋とは、南縁側(廊下)と「なんど」入り口より、接続している。桁行9.5メートル、梁間7.7メートル、
建築面積73.2平方メートル。木造平屋建で桟瓦葺、東面は切妻で西面を入母屋造。
 基礎は土台敷きだが、床高を高く取り(62p)、おもて8畳座敷の天井高も、大きく開放的で、その容姿は主屋とは異なる、洗練された構成を見せている。
 小屋組は当初から、瓦葺きのための和小屋で、小屋束を密にして母屋桁を受け、小屋束を貫で固めている。小屋梁には松丸太を使用しており、松丸太のあてと曲がりとを巧みに利用して架構している。
 なお、当家所蔵の文書「村方仕法取締定書帳 明治三年四月 三重郡楠本郷村」には、村法郷令などが記されている。そこには庄屋・岡田家に「座舗 壱ヶ所」を造る記載があり、岡田武紀知の名があり、印が押されている。庄屋は、郡奉行(代官)の代行執政官で、年貢取立てや浪人取締り、キリシタン禁制など、その下部組織である百姓代の村方役と、村政について協議していた。そのための施設である「立會(合)所」とは、定期会合する場所(行政会議所)のことで、後日の証拠のため、その場に臨席する村人のための、建物を言っている。